インドでの日々を綴る


by ayako-ondes
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

タグ:インド舞踊 ( 1 ) タグの人気記事

カタック Kathak

最近、日が長くなってきているのを感じます。バイクに乗せてもらってもあまり寒くなくなってきました。
夕方、スタジオのサウンド・エンジニア、グルプリートさんのバイクで、インド舞踊カタックの公演を観にデリー大学へ行きました。
ダンサーはビルジュ・マハラジ氏(Pt.Birju Maharaj)。昨年末に行われた、私の師ババールさんのCDリリース発表会に来場されていて、そこで初めてお会いしました。インド人間国宝でカタックの最高峰と紹介されたものの、全くどんなものを踊るのか見当もつきません。それで今日を前々からとても楽しみに...と書きたいところですが、いつものように昨日知らされました。笑...

デリー大学はいくつものキャンパスが集まり敷地は広域にわたっています。緑も多く、特に朝は歯磨き代わりのニームの小枝をかじりながら歩いている人も多く、またヨガや健康教室のようなことをしているグループも多数、開放的な雰囲気です。公演は、その中でも見るからに素敵な建物Vice Regal Lodgeにて行われました。写真はその正面と、建物内の中庭です。
f0099915_3432754.jpgf0099915_34407.jpg
入り口で靴をあずけて入館。聴衆は前半分が床座り、後ろ半分には椅子が用意されていました。インド人は極力前に座りたがる人が多いです。そして途中でも質問したり、感嘆の声をあげたり、とにかく参加型です。私たちは少し遅れて着いたので座り席の一番後ろから鑑賞。ステージ上には、下手にタブラ、サランギー、サロードの各楽器奏者とヴォーカルが並び、ダンサーはマハラジ氏のみ。一言で片付けられるような代物ではありませんでしたが、簡単に言ってしまうと、大勢で作る総合芸術を一人でやっている感じ。芸術性が滅茶滅茶高く、見事でした。
カタックはインド四大舞踊のひとつで、約2500年の歴史があるそうです。もともとはヒンドゥー教の神話などを語ることから発し、その後イスラム教文化の影響を受け宮廷舞踊へと発展。ヒンドゥスタン古典音楽に密着している唯一のインド舞踊で、フラメンコの元でもあるようです。マハラジ氏の偉大さは、それを単に継承するだけでなく、独自の要素を加えてより芸術価値を高めたところにあります。インドのリズムは早口言葉のような独特の音で表現されますが、まずは、マハラジ氏がそのフレーズを唱えると、タブラがそれに応えます。そして他の楽器も入ってきて、そのリズムに合わせた闊達な動きの踊りが始まります。両足首には片足あたり100〜200個ほどのグングルと言われる鈴をつけていて、タップとともに複雑なリズムを奏でます。歌い手はリズムを歌う時もあれば、語り部となる時もあります。様々な音楽や声と、その踊りは即興的にもピタリと合って、抜群の切れの良さをみせます。無伴奏による踊りもあります。そうかと思うと、今度は、歌のストーリーに合わせて、しなやかな手の動きとともに全身を使って、一人で二役を演じます。力強い仕草で男役を、色っぽい仕草で女役にもなります。そして次には歌も歌います。ひとつひとつは決して長くはなくのですが、その間には、早口言葉のようなリズムにのせて、ジェスチャーだけでストーリーを表現したり、小話をはさんだり、多彩な芸を繰り広げます。舞台上の彼はダンサーであるばかりでなく、芸術家であり、役者であり、音楽家であり、創造者であり...。カタックは、インド音楽、インド特有の複雑なリズム、演技力、ショーマンシップ、歌唱、話術、柔軟かつ機敏な身体、観察力、鋭い感受性などなど、あらゆる要素を要求される極めて高度な芸術で、マハラジ氏はどれをとっても超一流。インド芸術の偉大さとその歴史の深さをひしひしと感じた日でした。

インドでは公演中に写真を撮っても全く注意されることがないので、今回もビシバシ撮りましたが、ネット上に載せてもいいのかどうか...。講演後の楽屋でのインタビューから1枚だけアップします。             
インタビューも演技の延長...。
f0099915_613440.jpg

[PR]
by ayako-ondes | 2007-01-24 23:06 | Culture★文化