カテゴリ:Music★音楽( 25 )

Love & Joy

前回の記事で、書き忘れました
パンフレットに手書きによるシャンカル氏の素敵なメッセージがありました
やはり彼の演奏に接したいですね




      The magic in music happens only
    when the artist serves it with love
    and joy - and the listeners receive it
    with the same spirit.



         Ravi Shankar
          Feb. 18. 2007.
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by ayako-ondes | 2008-02-25 23:23 | Music★音楽
ニューデリーのラヴィ・シャンカル・センターにおいて、22日〜25日まで「故ジョージ・ハリスン生誕65周年祭」(Dedicated to the Late George Harrison on his 65th Birth Anniversary)が開催されている。


23日には、ババッルさんの友達であり、先日スタジオで会ったばかりのバーンスリー奏者Ajay Prasanna氏が出演するということもあって、ババッルさんと、グルプリートと、もう一人の知人と聴きに行く事になった。


ラヴィ・シャンカル、インドのシタールの巨匠で今年4月には88歳になる。
ビートルズとの交流や、その他西洋音楽の巨匠たちとの共演、共作等々、
インド古典音楽の演奏のみならず、幅広いジャンルのシタール音楽を生み、
また全世界で演奏してきた。
インド音楽を、そしてシタールという楽器をインターナショナルに広め、ファンも多い。
神様的存在である。

また、娘さんアニューシュカもグローバルなシタール奏者として国際的に活躍中、
そしてもう一人の娘さん、歌手のノラ・ジョーンズといい... すごい音楽ファミリー。



会場のラヴィ・シャンカル・センターはニューデリーの中でも最もハイソな地域、
各国大使館が集まるチャナキャプリにある。私も訪れるのは初めてであるが、全員そうだった。そこでまたとんでもないことに...。


目指すはチャナキャプリ。それはそれでいいのだが、この地域は本当に広く、
またひとつひとつの大使館の敷地が異常に広いので、地図を見ながら方向を確認するにも、
隣の大使館がどこの国の大使館なのか、それを確かめるのにも一苦労。
歩いて簡単に探せるような距離ではないのである。
ましてや、土曜日、暗くなってくると、あまり人通りも多くはない。
私は地図を見る事が好きなので、自分だったら前もって調べておくのだが、
今回は場所をあらかじめ聞いていなかったので、ただ連れられて行動している。
そして、バッバルさんにしてもグルプリートにしても、大方のインド人は、常に、
その場所に行ってそこにいる人に尋ねるのが一番という頭だ。
何回も聞きまくり、その度にぐるぐる回り、その果て、最終的にはたどり着くというもの。
私にはこれがとっても無駄に感じられて好きではないので、ノー・プロブレムと言われようが、
何と言われようが、場所を聞き出しておいて調べてくるんだった...。



そして、ようやく7時過ぎに到着。外国人も多いし、そんなに大勢で埋め尽くされているというわけでもなかった。しかし、建物といい、ロケーションとといい、引き込まれる
雰囲気でとっても素敵だった。そして会は6時にすでにスタートしていた。
1時間ほど遅れたところで、いつものこと。半分聴くつもりなのだろうなと軽く考えていが。
着いたとともにちょうど曲が終わり拍手。
そして「それではこれより10分間の休憩です」とのアナウンスがあった。
グルプリートに、この後、また彼らは登場して演奏するかと聞くと
「Maybe. I think so.」との返事。その割に、バーンスリーは袋にしまわれ、またタブラも片付けが始まり、少し不安になる。


ともかく、演奏者のところへ挨拶に...。
バッバルさんとステージ下手の奏者のいるところへと向う。
その途中、ソファに一人のおじさんが座っていた。


ババッルさんはその人を見て、その人もバッバルさんを見て、お互いとっても穏やかに挨拶しあった。二人の間には、とても親密かつ尊敬しあった自然な礼儀正しさが感じられた。とても静かだが、温かい対面に見えた。
出演者やその他の入れ替わりの聴衆などで騒然としていた中、ここだけは別世界のようだった。


と、その様子を、しっかりと監視しているおばさんがすぐ近くの観客席にいた。
白い小さなカワイイ犬を抱いたその人は「師匠は今体調がよくないから、関係者以外はここから先には入れないように。さもなくば、師匠を控え室の方へ連れて行って....」と何やらかんやら訴えている。


まさに彼が、ラヴィ・シャンカル。カリフォルニアに住んでいるはずだが、このためにデリーに来ていたのか! まさか彼がここに来ているとは全く思いもしなかったので驚いた。
しかたなくなのか、本当に体調がすぐれないのか、その声を聞いたシャンカル師も、それに従い控え室へと移動してしまった。


偉業を成し遂げているその大きな活動とは反対に、印象は小さなおじいさんという感じだった。


そして、懸念通り、後半は違う演奏者のステージへと変わってしまった。
先回のバーンスリーのチョウラシアの時と全く同じパターン。
今回もバッバルさんは録音するようにと、私はMDを用意していたのだった。
奏者の人たちにも合わせる顔がない、恥ずかしいし、それに何よりも聴きたかった。


ところで、このラヴィ・シャンカル・センターは彼の資料館としても、また財団としての機能もしている。たくさんのシャンカル師のコンサートポスターや写真や賞状などが展示されている。
詳しくはココのサイトをご覧ください。彼のシタールとともにサイトが開きます。


また、センターでのコンサート模様はココを! とっても素敵な建物、そしてこんな雰囲気でした。

そしてオマケに、そのカワイイ白い犬は、たぶんこの中の8番目の写真に写っている犬だったと思います。


1時間ほど聴いて、我々は次の予定の知人の結婚式へと向わなければならない。
シャンカル師はその特別に用意されたソファに座って聴いている。
ババッルさんももう一度彼と話したかったが、途中で話しかけるのも悪いので、
泣く泣くまた次の機会を願って、会場を後にした。


いつか、シャンカル師の演奏を生で聴きてみたい。
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by ayako-ondes | 2008-02-24 23:10 | Music★音楽
f0099915_605062.jpg昨年夏、90歳の生涯を閉じたシャーナイ(shehnai)奏者のUstad Bismillah Khan(ウスタド・ビスミラー・カーン)氏。

インドのオーボエとも言われるこの楽器を国際的にも広めたのはまさにこのビスミラー・カーンの貢献が大きいそうです。
彼の名は国際的にも広く知られ、また、インドでも伝説的音楽家として親しまれています。
私たちは、彼が亡くなられたその日、スタジオでご冥福を祈りみんなで黙祷したのでした。


その後、いくつかのコンサートへ行く機会がありましたが、ほとんどのコンサート会場において、ステージ上に、ビスミラー・カーン氏の演奏している写真が飾られているのを目にしました。
それらを見るにつけても、どれだけインド国民が彼を尊敬し、彼の音楽を愛していたかが伺え熱いものを感じました。



今日のバッバルさんは朝から興奮気味です。というのも、そのビスミラー・カーン氏のお孫さんのウスタド・ファテ・アリ・カーン(Ustad Fateh Ali Kahn)氏が、今晩このスタジオへやってきて、シャーナイの録音をするというのです。絶対Ayakoも聴くように...と言われていました。


夜9時を回って、ファテ・アリ・カーン氏はハーモニウム奏者とともにスタジオへやって来ました。

まずは、挨拶。初対面のカーン氏は飾らない素朴な雰囲気でした。

一息ついたところで、ハーモニウム奏者、そしてタブラ奏者とともに、音合わせとマイクチェックが始まります。
カーン氏は音合わせに関してはとても入念で、その眼差しはだんだんと鋭くなっていきます。
そして、音出しを始めると、更に真剣さが加わります。
徐々に集中力が高まっていくのが側にいてビリビリと感じられるのです。


そして、いよいよ演奏です。

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インド音楽の醍醐味である即興の妙を見事に聴かせます。
ハーモニウム、そしてタブラ奏者との掛け合いも、寄せては返す波のように高揚感が増します。
時にハッとさせられるのは、シャーナイの音がまるで人間の声のように聞こえる瞬間です。
音の移り変わり、メロディーの運びが、流れるようになめらかなので、ひとつひとつの音を吹いている楽器とは思えなくなるのです。
そう、そのハッとした次には、人間の声以上の広範囲な音域を変幻自在に弧を描くシャナイの音。
人間業では到底成し得ない。そして、この音の渦巻きに吸い込まれ、不思議な陶酔感に包まれます。
音に身を任せただただ酔いしれているだけで、いとも簡単に演奏しているかのように聴こえるのですが...。
実際は卓越したテクニックとそして集中力。そこに常に心を重ねているのでしょう。

素晴らしい演奏をまるでホームコンサートのように身近で聴けるなんて、なんとも幸せです。

下の写真は、演奏している部屋と、となりの部屋でくつろいで聴き入る我々...。

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5曲のライブ録音が終わったら、すでに夜中の12時を回っていました。
インドでは時間を気にしなくていいところがこういう場合には功を奏しますネ。


それから、みんなで遅い夕食となりました。一緒に食事もできるなんて、ハッピ〜♪

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カーン氏のプロフィールを見せて頂きました。この右ページがまた凄いのです。
お父様、そしてお二人のお祖父様も、更にそのお二人のお祖父様のお父様も...全員がシャーナイ奏者なんですね。お父さんとお祖父さんと、ひいお祖父さんという風にのここには9名のお名前が掲載されていました。

まるで歌舞伎の世界みたい。



カーン氏、本日、オーストリアのウィーンでの演奏へ旅立たれたそうです。

クリスマスの夜、ウィーン人々の心をきっと魅了させることでしょう。
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by ayako-ondes | 2007-12-25 02:33 | Music★音楽

タコる  

「自分用」と「他の人用」。「自分のため」と「他の人のため」。
これって全然違いますですね。
曲を作っている時は、音を試しながら、いろいろと変えていくので、楽譜もまるで自分しか読めないメモ書きのようです。

そして、自分用のスケジュール帳も、癖字大奮闘。

先日までの宿題であった警察音楽隊への楽譜作りが終わったとホッとするのもつかの間、全曲の楽譜をババールさんが欲しいと言い残し、アフガニスタンへ発ちました。

ババールさんが帰って来られるまでにやることがたくさんです。
でも、こういう自由な時間が与えられると妙にやる気が出てくるへそ曲がりで、朝から晩まで丁寧な楽譜書きに努めていたら、久々に指にタコができ、しまいには手がイタタタタ...。
これを数日続けていて、まだしばらくは終わらない気配です。長らく忘れていたこの手の痛さ、本当に久々に経験します。今ではパソコンばかりで、自分の手で字を書く事がめっきり減ってきていることを身にしみて感じます。
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そして、もう一件。以前演奏をしたことのある、ある美術館が10周年を迎えるとのことで、メッセージを!との連絡があり、メールでも良かったのですが、手書きのものはもらって嬉しいからと、久々にカードを書き出しました。 もー、これはひどい! 
♩なんてもんじゃなく、あっちこっちに傾く、曲がる、大きさもバラバラ。
そして出来上がりは、最初は丸みがかっていた字が、途中からトンガリ出して、もらって嬉しいどころか、相当怪しげ〜。結局、別なカードに書き直したのですが、たいして変わらないんですね。あ〜ぁ、小学生の頃の方が上手かったなー。
一定期間、館内に掲示されるということなんです。 ポリポリ...。
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by ayako-ondes | 2007-09-14 23:52 | Music★音楽
再び、ウルドゥー語とペルシャ語の詩人が、ババールさんのお宅を訪れて、更に、言葉の指導、音楽の伝達が行われました(前回の記事は9/4)。
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教える側も、聞く側もどちらも真剣です。ババールさんは今となっては自分よりも若い娘さんバニーの方が圧倒的に覚えが早いので、とにかく、娘さんには、ウルドゥー語もペルシャ語も機会ある時に、今の早いうちに、習得して欲しいと思っているそうです。詩人に指導を頼んでいるのもそれを思う気持ちもあってのことのようです。
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私は録音係で呼ばれました。詩人といえども、ハーモニウムは弾くし、歌うし、タブラは抱え込んでリズム打ちをするし、ひととおりこなします。
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アフガニスタン公演は2日間、前後含めて3泊4日の旅になります。これが終わるまで、しばらく私たちのプロジェクト「ガリブのCD制作」は私一人で進めなければいけません。なかなかハードですが、待っている時間がもったいないのでできるだけ進めています。
アフガニスタン公演、ぜひ成功させて、みなさんを喜ばせて帰ってきて欲しいです。
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by ayako-ondes | 2007-09-07 23:00 | Music★音楽
来週、ババールさん達はアフガニスタンの首都カブールで演奏会があります。
正確なアフガニスタンの位置を知らなかったので調べてみたら、インドの北西、お隣のパキスタンの更に北西に位置します。デリーからフライト1時間くらいで着くとのことです。

ババールさんをはじめ、同じく歌手の娘さんバニー、タブラ奏者、ハーモニウム奏者、オクトパッドと呼ばれるリズム打ち奏者ら、いつもババールさんと組んで演奏している演奏家も一緒です。先週くらいに公演が確定したため、ババールさんとバニーは現在準備に大わらわです。

インドの音楽は大きく北インド音楽(ヒンドゥスタン)と南インド音楽(カルナータカ)に分かれます。ババールさんたち、そしてデリー在住の音楽家はほとんどが北インド音楽の方で、またババールさんはガザル(もとはウルドゥー語の詩による歌)歌手ということもあり、その音楽は多分にパキスタンともつながります。更に、お隣のアフガニスタンへ行くと、ウルドゥー語以外にも、ペルシャ語も入ってきて、音楽もスーフィーと呼ばれるものがあるのだそうです。
今回の公演では、このスーフィーを何曲か歌うようリクエストされているそうで、目下ババールさんはペルシャ語の歌スーフィーを作って、覚えてで、他のことには余念がありません。普段使わない言葉は、発音も覚えるのもとっても難しいそうです。

そこで、デリーに住んでいるウルドゥーとペルシャ語の詩人(歌人)にババールさんとバニーは言葉と詩を習う事になり、今日、その詩人がスタジオを訪れました。お父様も、お祖父様も、代々詩人という方で、ペルシア語の新聞にくるまれた、お父様の自作自筆の詩の書かれた薄いペナペナなノートほか、数冊の本を持参されました。そして読み方の指導や実際に歌ってみせてくれたり...。詩人は、バニーが発音すると「そうだ、いいぞ、お嬢ちゃん」と一言一言に励ましの言葉を投げかけ、やっていることは難しそうですが、楽しいそうな雰囲気でした。
写真はお父様の自筆の詩を読んでいる詩人。そしてそのノートです。大きなきれいな色の指輪が気になりますね〜。
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ヒンディー語とウルドゥー語は文字表記は全く異なりますが、発音に関しては類似する言葉もあります。そこには、現在のパキスタンに隣接するパンジャブ地方(インド)が、その昔、今のパキスタンと同じひとつの国であったという歴史背景も関与しているそうです。パキスタン人とインド人は顔も似ているらしいです。更に、パンジャブ地方では、以前はウルドゥーが使われていましたが、その後(約300年前)新たに独自のパンジャビ語が生まれたのだそうです。バニーのお祖父さんは、パンジャビ語は話せるけれど書けず、ウルドゥーで書いていたということです。

そのウルドゥー語ですが、ヒンディー語の祖先がサンスクリット語であるように、ウルドゥー語の祖先はペルシャ語とのこと。表記は同様ですが、ペルシャ語は今では古い言葉となり、使う人も減り、発音も難しいようです。言葉の流れやリズムは、私には、ウルドゥー語ともヒンディー語とも似ているように感じられましたが、舌が回らないような発音も多いし、なにせチンプンカンプン。

アジアの東の果ての日本と、アラブよりのインド。インドにいると、出身は?と聞かれます。だいたいは、韓国人か、中国人か、時にはマニプル(インドの一番東ミャンマーに隣接する)出身かと言われ、私の住む周りには日本人がいないからか、なかなか日本人ですか?とは言われません。インド人にはそのあたりの区別が難しいようです。どこで見分けるのかとも聞かれます。

顔かたちのみならず、言葉の歴史、国の歴史、そして更にそれぞれの宗教とも関連性もあって、アジアも何っとも広いな〜と感じ入った日でした。
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by ayako-ondes | 2007-09-04 23:38 | Music★音楽
今日で、ようやくニュースの音楽制作が終わりました。提出するものとしては3つ目ですが、作った数は、途中でやめたものも含めると10ほどあります。最終的に仕上がった物は、一番灰汁のないものになったような感じがします。インドのニュース番組は一日に何度も放映されるそうなので、一日に数度、それを毎日聞いたとしても飽きない音楽なのではと思われます。が、なにせ、先方の要求もコロコロと変わり、それにできる限りでこちらも沿うようにやってきた今では、この音楽がどうなのか、自分自身では判断ができなくなっています。まずは先方が何と言うか、結果待ちです。
ただ、「テクノっぽく」の要求に対しては、ほとんど応えることができませんでした(笑)。ババールさんは根っからテクノっぽいものは作れず、私も作ってはみたものの、無機質になりすぎてしまったり、あちこちに思考が散らばる感じにしかならなくて…。私たちの普段作っているものとはかけ離れているものを作るのはやはり難しかったです。ただこの制作に関わった人たちみんな、テクノっぽくという意識だけは持っていたので、気持ちだけは多少含められたかなという感じです。というわけで、最後にできたものは、意見を言う側も含めて、これにかかわった人たちの趣向が、一番中庸にまとめられたものだったのではという感想です。

やっと終わった〜、ようやく我々の本来のプロジェクトに戻れます。ミルザ・ガリブ(詩人)による歌+小編成オケの作品を作っていて、今秋にはCDリリースする予定なので、本当はこちらをとにかくやらなくてはなのです。数ヶ月駆け足でやってきて全8曲、一枚のCDにするには必要な曲のアウトラインはでき、今は各楽器のベストな音色選びをしつつ、また必要であれば手直し&音を加えながら、オーディオ化しているところです。おそらくこれから数人の演奏家にも加わってもらってライブな音も足して行きます。本当は、全てをライブ演奏で録りたいところですが、ここでは致し方ないです。今作っているのは、歌編ですが、最終的には、これを土台に、オーケストラとオンド・マルトノの曲に編成しなおします。数日ぶりで、我々の音楽を聞くと、久々に我が家に戻ったような安堵感を感じます。私たちの等身大の音楽だからかもしれません。全8曲作るまでには様々な過程がありました。お互いのバックグラウンドの違い、コミュニケーションの問題、そして突然のババールさんの心臓バイパス手術、そして立て続けにババールの奥様の手術などなど...。音楽作りそのものも、最初はババールさんが作って私が楽譜にするという風にやっていたものの、だんだんと、ババールさんは一本のメロディーだけを作り、その他のパートは一旦全部私が作り、更にババールさんが何か付け足したければ加える…という風に変わってきました。私は、その間、作曲家でもない私がやってもいいものができないのではないかとか、ババールさんが作った方がインド音楽っぽくなってきておもしろいのにと思ったり、いつも単純な和音進行しかできないなーとか、いろいろと葛藤もありました。それはもちろん、今でもあるんです...。でもババールさんは、私が作る物を喜んでくれて、とにかく作り進めなければ終わらないので、私もあまり愚痴を言わず、とにかくやってしまわないことには、と進ませてきました。
途中の段階でも、これまで作った物をあらためて聞いてくると、自分は対位法的な曲がやはり好きなんだなと感じます。作曲の上手い下手はさておいて、メロディー+伴奏、というような役割がわかれたスタイルより、誰もが入れ替わり立ち代わりメロディーを担当したり、伴奏を担当したりしながら、色々なメロディーや伴奏が同時に調和しながら進んでいく、たくさんの音楽の横のライン(重なり)が、結果として縦のライン(重なり)をも自然と形作るというスタイルが、聴いていてもとっても心地よくうっとり〜であります。人間関係も社会もそういう形が好きかもしれないです。昔から、バッハや、様々なフーガ(対位法でできた曲)は大好きでした。脳みそがグニョグニョと撹拌されて、一種のトランス感覚を体験できて…。そこにリズムをどう組み合わせていくかなどは、バッハの作品を自分がピアノで弾いてきたことが自然と役立っているという感じがします。とにかく、これは早く形にしたいです。

続いて、今日は夜、パンジャビ音楽の天才児ヴィネイ君に呼び出されて、一緒にあるプロジェクトをやらないかと提案されました。「それはおもしろそうに思う」と答えたら、「思う、じゃないでしょ? とってもとってもおもしろいだろ!」と。ヴィネイは、何でも早い男である。仕事も、話すのも、食べるのも、歩くのも、頭の回転も超早く見える...。そして、自信もたっぷりあると言っていた。それに比べたら私はとっても鈍くノロく、やりながらでないと自信もついてこなかったりする。そして何よりも感情が遅れてやってきたり、感情に曇がかかる時もあって、ほんっとうざったい自分。世の中から取り残されていく典型的なタイプかもしれないけど、あまりそう思うと自分が危うくなる。ヴィネイとのプロジェクトはワクワク感がある、日本で応援してくれている人に早速メールで新たなプロジェクトを伝えてみた。オモシロいじゃないと言ってもらえました。応援してくれる人がいるというのは嬉しく、とてもありがたい。おかげで私もこうして生きていかれている、もっと感謝の気持ちを持たなくては...。頭の中ではこのプロジェクトの選曲が始まっていてソワソワ&ワクワク。詳しくはまた書きます。
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by ayako-ondes | 2007-08-27 23:38 | Music★音楽

ふたたび

昨日から頭痛に悩まされ、今日は気持ちが悪くなるほどひどくて、頭を縦にできませんでした。それなので、ずーっと寝ていて、最後は薬でどうにかこうにか、夕方になってようやくスタジオへ行く事ができました。
そしたら、再びニュースの音楽の映像が流れています。手直しかな?と思ったのですが、最初から全くの作り変えをしている様子です。
今度は「テクノっぽいものを」という先方の要求なのだそうです。以前は「ヘヴィーに、オーケストラでド派手に」ということだったのですが...。聞く人が変わる事によって、要求がコロコロ変わるんですね。もぅ、そんないい加減なの辞めちゃおうよ、と浅はかに私などは思ってしまうのでありましたが、ババールさんの姿勢は常に前向きです。チームワークが大切、完璧にできるのは神様しかいない。人間は不完全なものだから、みんなで協力してやろう、そしたら絶対に何かいい結果が出ると思うんだけど...と言います。それにしても、もう終わったと思っていたニュースの音楽が、突然再び現れて、私はうまく頭の切り替えができなかったです。全くいいアイディアが浮かばないまま今日のところは終わりとなってしまいました。この件、明日に続きます。
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by ayako-ondes | 2007-08-22 23:30 | Music★音楽

タ〜リ〜

このところババールさんとの音楽制作に忙しい毎日です。ミルザ・ガリブの詩による歌の曲を作っていて、ここ2ヶ月位はそれまでの10倍以上のスピードで進めています。8曲そろえばCD1枚制作できるという計算で、ようやく最後の8曲の輪郭までが出来上がりました。ガリブという詩人は、インドではとっても有名です。ゲーテ、シャイクスピアに通じる人だと言われていますが、日本においては、ゲーテとシェイクスピアは知っていてもガリブを知っている人はとっても少ないのではないかと思います。私も全く知らなかったし、ネットで検索しても日本語ではほとんど出てきません。(この出だしでいくと、ガリブについて書けば良さそうですが、それはまたにして、最近は食べ物ネタが少なかったので、食に進みます。)

それでですね、忙しくなると、ランチまで作っていられなくなります。ランチはいわゆるお弁当(といってもインド料理)持参というのがインドでは主流です。みんな保温できるお弁当箱にいれて持ってきます。そして、スタジオではみんなそれぞれの家庭料理をシェアして食べます。あるいは、デリバリーやテイク・アウトも利用しますが、それらもシェアします。日本の少し昔を思い出すようです。

みんなのお弁当は、だいたいは奥さんの手料理だったり、雇用人の食事係の人が作ったりしています。私は奥さんはいないし、お手伝いさんもいないので、自分で作らなければならないのですが、最近は怠けているというわけです。しかし、テイク・アウトやデリバリーもだんだん食べるものが決まってきて飽きてきました。

そこで、ババールさんから以前聞いたことのある30ルピー(90円)のターリーを食べる事を思いつきました。ターリーとはインドの定食のようなもので、ご飯やナンやチャパティなどと、数種類のカレー、ヨーグルト(場合によってはデザートも)が、小さなお皿にそれぞれ入っているものです。30ルピーのターリーの情報元は、私の住む地域担当のある警察官だそうです。

昨年末、スタジオと同じビルおいて、許可もなく屋上や地下などに、どんどん部屋を増築していく(違法)という病院がありまして、それをババールさんが訴えたため、その時、警官が立ち入りにきたりしていたのです。それで、めっきりババールさんとも仲良くなり、またスタジオを憩いの場として、時々やってきてはお昼を食べたり、エアコンの効いた部屋で居眠り(!)していったり、時には「Ayakoのボディー・ガードにきたよ」とか...頼んでましぇ〜ん。

録音エンジニア、グルプリートのバイクに乗せてもらって、スタジオから数分のお店まで買いに行きました。人気があるようで人がたくさん群がっていました。カレーは2種類選べたので、ダールという豆のカレーと、パニール(白いリーズ)のカレー。そこに、ジャガイモとタマネギ入りのナン(これもチャパティほか数種の中からチョイス)、ライス、ヨーグルト、キュウリとオニオンのビネガー漬けがつきました。一人では食べきれない量でした。残念ながらみんなお腹をすかしていてターリーの写真は撮り損ないました。お店の様子だけ載せます。

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この写真の店の手前左にいるおじさんが、チャパティやナンを釜で焼いています。緑色したものの中に、釜が入っていて炭火焼です。
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このように生地を丸めたものを、薄くのばして、熱くならないように工夫された丸いコテ?のようなもの(ひとつ前の写真の生地をのばすおじさんの左上す)で、釜の内側にペタンペタンと貼って焼きます。
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味はなかなかグ〜!!
ところで、「カレー」というのは多少深いお鍋でグツグツと煮込む料理全般を言うようです。辛いのが「カレー」なのではなく、辛くないものも多いのです。特にヨーグルト入りの、茶色でなく黄色のカレーなどは全然辛くなくとってもマイルドです。
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by ayako-ondes | 2007-08-10 23:29 | Music★音楽

ピアノの曲

2週間くらい前から、ピアノの曲にもトライしています。
スタジオでとなりの部屋を使っているパンジャブ・ロックのプロデューサー/コンポーザーのヴィネイ君から、ある曲の間奏曲にピアノのソロを入れたいので、それを作ってくれないかと言われているからなのですが...。自分は作曲家でもないし、ピアノ曲は単音で進むわけにもいかず、最大10本の指で弾けるだけの音を操ることになり、かなり難しいです。その上、これまで弾いてきたようなピアノ曲に比べると、自分の作る物は何とも違いすぎて、その亀裂が凄まじいです。
しかし、トライしてみようと思ったのは、いつもババールさんと一緒に取り組んでいる曲とは、まったく違うタイプの音楽もやってみたいのと、またババールさんとは性格的にも作っている音楽も全く正反対のヴィネイ君と一緒に音楽作りをしてみたい気もしたからです。
ヴィネイは、みんなから「天才」と言われている人で、見ていても驚くほど、その場で音楽が即出てきて、それもどんな楽器のどんな音でも即座にシンセで演奏できます。何やら考えて作ってはいるのでしょうけど、微塵も感じさせません。14歳の時から音楽制作の仕事をしていて、20代後半の今では、音楽と関係ない他のビジネスも始め、音楽は趣味と笑いながらも、しかし、すごいスピードで寝る間もないくらいたくさんのものをバリバリとこなしています。ヴィネイのお父さんは祈祷歌を歌う歌手で、ヴィネイは早熟で誰に何を習ったわけでもなく、子供の時から自然と音楽が作れたそうです。それは神様から授かったもの、神様のおかげですとヴィネイは言います。

そして昨日、自分が途中まで作ったものを聞いてもらいました。本人を前にして、ヴィネイは、悪い事は言わなかったけれど、その場に一緒にいたヴィネイの友達にもどうだったかと聞いてみたら、彼らは「そこの天才に聞いてくれ」と言うだけでノーコメント(笑)。
その後、ヴィネイが自分の好きだというコード進行を使って、同じ部分をサラサラと弾いてくれました。ロマンティックでカッコ良くムードがあって、私のと違って大人の音楽! それに前後の音楽ともピッタリ合うし、それはヴィネイの曲なんだから当たり前かもしれないけど。私はヴィネイが自分で作ったほうがいいものできるし、私は自分のものよりヴィネイの音楽の方が好きだけどね〜と言ったのですが...。

ヴィネイ君のコード進行をかりて、再びトライすることになりました。水曜にまた聞いてもらうことになり、今日も少し試してみましたが、同じようにカッコ良くはいかないんですね〜。
もう明日が水曜、時間よ、止まって〜〜! また朝早くからスタジオへ行かないと...です。
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by ayako-ondes | 2007-08-07 23:55 | Music★音楽