インドでの日々を綴る


by ayako-ondes
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未来賛歌

チプカリーがまたまた部屋の窓に這いつくばる季節となりました。
1ヶ月以上ご無沙汰していましたが、その間に、デリーは完全に夏となりました。

チプカリーとは、ヤモリのことです。
夜、キッチンで何かしていると、窓が明るいせいかヤモリが数匹、窓にペタペタと登場します。
時々動くので、その度に私の気もちもそちらへと移ります。
横目で、決して見たいとはいえないヤモリの腹部を見ることになります (^_^ ;)
あまり大きくならないで欲しいです〜〜。
太ってくると、お腹にぽたっとした質感が出てきてリアリティーが増してきそうなので(冷)。
今、かろうじて平気なのは、窓ガラスがかすりガラスではっきりとは見えないということと、
チプカリーがここにいるということは、部屋に侵入してきそうな虫を防いでいてくれている...と考えると、ありがたくも思えてくるからです。


さて、久々のブログが、予定外のチプカリーの話しで始まってしまいました。しかし、今日書きたかったのは... そろそろ本題に入ります。


現在のデリー、いろんなことが動いるのが目と肌で感じられます。
メトロや道路の工事は至る所で進んでいます。見るからにごった返していて、道路は混むし、埃っぽい上、歩きづらいです。
数々のショッピングモールが建設され、閉じる店よりも新たに開く店が圧倒的に増えています。
バスもこれまでの窓無しのオンボロから、日本で見るような新しい奇麗なバスも走りはじめています。
経済の波に乗りたい人が大多数でしょう。貧困の差がとっても大きいインドでは、お金があると無いとではどれだけの違いがあるのか、それは現実としてあらゆる場面で明白です。
自己啓発セミナーなる団体や組織活動も活発化してきている様子です。しかし内容的にはお金稼ぎが第一のような...。
家族の絆はとても強く、子供への期待と教育にも相当熱が入っているようにも感じられます。


このたび、立て続けに私立の学校の1年のまとめのファンクション(催し物)に伺う機会がありました。いずれもデリーでも指折り優秀な学校のようです。
また、このたびわかったことに、この手の学校はデリー等のインドの大都市にはかなり多くあるようです。組織的に経営されていたりします。


インドの結婚式を例にとっても明らかなように、催し物好きで、その手のことには開催する立場でも参加する立場でもいずれもにとても慣れているインド人、スクールファンクションも半端じゃありませんでした。

ステージ&客席作りから、音響、照明、その他ケータリング等々、プロのイベント業者が入ります。


昨日の学校は、学校の敷地に入るなりすごい数の鉢植えに花が咲誇っていて、それだけでも圧倒されました。
これだけの花に囲まれているなんて素敵な学校! 招かれた人々は口々に感嘆の声をもらしていました。


本会場までの道には、レッドカーペットが敷かれ、その上を歩くことになりました。
生まれて初めてだったりして...。両脇には幼稚園か1年生くらいのまだまだ小さな子供達が「グッド・イーヴニング・サ〜」「ウェルカム・マ〜ム」とニコニコと、あるいは少し緊張もしながら手を振って迎え入れてくれます。
このあどけなさ、なんて純真なんだろう、もうカワイイばかりです。


会場には立派な野外特設ステージが作られていました。仮ステージのような弱々しいものではなく、下手上手のスペースも壁でしきられた本当にしっかりとしたものでした。
客席はゆったりとしたソファーが並び、一面絨毯が敷かれています。
たぶん普段はグランドなんだと思います。まるで応接間にいるような気分です。
テーブルには、次々と飲み物やスナックが運ばれてきます。

舞台上は、歌に始まり、数々のダンス、その後校長先生のスピーチ、そして各授賞式などが続きます。各教科、各部門で優秀な成績をとった生徒さん達が表彰されます。
女の子の活躍が目立ちました。そして皆勤賞なるものもありました。


印象的だったのがダンスです。音楽も振り付けもこのためにオリジナルに作られたものです。
ひとつはインドのお祭りを描写したものでした。
様々な地方の鮮やかな服装と装飾を装って、それぞれのキャラクターになりきって踊ります。
ステージの後方には、インドの各地方の食べ物の屋台が作られ、また、ステージの上手には、移動遊園地などで見られる簡易式の観覧車が設置され、小さな子供達が乗ってクルクルと回って遊んでいます。これらも全部ダンスの一部となっています。
そしてステージの広場では、インドの様々な街の日常生活が、ダンスで繰り広げられます。インド人の生活や、人情や、各地方の特色が、色彩、デザイン、動きと表情で描かれ、インドの個性豊かな多文化がこの一つのステージに凝縮されてカラフルに放出されます。
インド人はダンスや歌が大好きで、恥ずかしがっていたりする子供は皆無で、みんな生き生きと自然に表現されていました。

本当に上手で、役になりきった動きと表情。心から自分の役を楽しんで、観客にサービスしている様子が、観ている人々をとても幸せにしました。
ゲスト席の誰もがその魔法のような世界に連れていかれました。
微笑みを浮かべ「いや〜、素晴らしい」「テレビや映画で観る何よりも素敵で大切なものがここにある」と、自然と互いに目と目を合わせたくなります。
両脇の人々と共感したくなり声をかけあいます。
そこに居合わせた誰もが、生きる本質と喜びを感じ取ったようでした。

私も、自分が嬉しくてふわふわと浮いているようでした。幸福感に包まれるというのは、心も身も「軽い」感触になるのかなと、このような印象は初めて受けたかもしれません。
全く押し付けがましくなく、しかし十分に伝わり、全員の喜びが夜空の月へとほわ〜っと登って行き、夢のような時間が終わりました。貴重なありがたい体験でした。


これが隅々まで行き届いた教育なのかもしれない...。 
次の演目へ移るちょっとした準備時間でさえも、安心感がありました。
とても良くオーガナイズされているということもあると思いますが、
全くせせこましくなくて、根底にどっしりと安定したものがあるように感じます。
それは、この学校の先生達と、学校を守っている人々、そして子供達の家族、そういう人たちの「愛」なのかもしれません。


そしてもうひとつ、上級クラスによるダンスも心に残りました。
これは、自然界の五大要素、空、風、火、水、地を表現したものでした。
この題材は、インドではしばしば選ばれるようです。数週間前に訪れた学校でも同じテーマでのダンスがありました。
衣装も各要素で色もデザインも分けられ、ステージ上での踊りは、真上に設置されたカメラで、ステージ後方の巨大スクリーンに同時に映し出され、まるで万華鏡をのぞいているように美しかったです。

公演後、衣装を近くで見ると何ということない案外簡単なものでしたが、踊っている最中には、照明の効果と、振り付けとピタリと合ってとても上品で美しく見えました。
中でも、「地」を表わしたグループが、最後まで低い姿勢で踊り続けたこと、そして、スクリーンのすぐ手前の中心(五大要素の後方)は一段高くなり、そこでゆっくりとした動きで表わされた男女二人の愛のダンスが印象的でした。
ストーリー性があり、段階的で、淡いところから官能的なところまで、知らずに創れない。
日本の学校でも、この手のものが演じられるのだろうか?とふと思いました。
変な意味ではなく、「カーマ・スートラ」が頭に浮かんできました。
インドの大昔からの長い歴史の中に、しっかりと根付いている「性の文化」とでも言うのでしょうか...。
普段の様々な場面で時々感じますが、「性」や「タブー」の捉え方がインドと日本では異なるように思います。うまくは言えませんが、日本では「性」を嫌らしくとらえる面もあるというか、はたまた、悪いこととまではいかないのだろうけど、何か隠す面が多いような気もします。
インドは変な意識でなくよりオープンで、人間が生きる上で、自然の五大要素と共に大切に考えられているようにも感じられます。
感覚的にとても大人のダンスで、「人間のありかた(根源)」を考えさせられました。


これだけのものを創りあげるには準備から相当な時間とエネルギーを要することと思います。また、先の別な学校では、招待状からプログラム等々、すべて奇麗な紙で手づくりされたとても凝ったものでした。そしてそこでも、自然体で堂々と演じきる様子、演じる子供達の笑顔と、きらきらと輝く目でとても幸福な気持ちにさせもらったのでした。


...未来が輝いてきますね。
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by ayako-ondes | 2008-04-13 23:53 | Diary★日記