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インドでの日々を綴る


by ayako-ondes
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収録② ウラ話

今家に戻ってきましたが、午前3時です。 あー眠〜。

インド人の会は遅く始まるので終わるのも遅くなりがちです。昨日アップしなければいけなかったのですが、予定外のことがあって一日回ってしまいました。


1/5の「収録①」を読まれていない方は、そちらから先に読まれることをオススメします。



それでは、仕切り直して...。061.gif


収録前日、スタジオから帰る際に、バッバールさんが「ayako、ひとつ頼みたい事があるんだけど...」と言ってきました。レモン入りのウォッカを1瓶買って、明日バッバールさんの家に来る際に持ってきてくれというのです。酒屋が私の家に近い事もありますが、バッバールさんは、手術後お酒はしばらく止めていました。今ではドクターから許可は出ているものの、お酒を基本的に飲まないご家族からはどうも禁止されているらしいのです。娘さんのバニーに気づかれないように、バックに入れて持って来てと言います。ちなみにバッバールさん一家は女系家族で、バッバールさん自身はとてもフェミニストなのですが、少々肩身が狭い時もあるのかな?と思ったりもするわけです。余計なお世話ですね、ハイ、すみません。


そして翌日、収録日。
バックを持ってバタバタとバッバール宅に駆けつけました。そこには、たまたまバッバールさんの奥さんを訪ねてきたという親せきの方々も数名集まっていて、一緒にチャイーを頂きながら、バッバールさんとバニーの準備が整うまでしばらく待つこと、またしも有に40分以上。
しばらくして、バニーが、そして支度を終えたバッバールさんが同じ部屋へ入ってきました。


一瞬にして場の空気が、そして色が変わります。バッバールさんの顔を見るなり、数名の親せきの人たちは笑顔になり、バッバールさんの方も「How wonderful! ほい、ほい、ほい」といつものように愛想よく、親せきの一人一人を回って握手をしたり抱き合ったりと挨拶をかわし、ちょっとした話しに興じます。その後、ようやく我々は出発となりました。

テレビ局から用意された車の、トランクにはハーモニウムを積み、運転手の他、サーバントのアナンドが助手席に、そして後部座席にはバッバールさんとバニーと私が座りました。
後部座席はその他にも荷物があり窮屈なので、私のバックは自分の膝の上。
しかし、ボトルが入っている事それ自体すでに忘れかえっていて、そのままテレビ局へ到着、スタジオへと入りました。一方、バッバールさんも、私にボトル頼んだことをすっかり忘れていたそうなのですが...。思い出してくれました。


バッバールさん、これからテイクいう本番直前に舞台の上から大声で「アナンド!!」とサーバントを呼んでいます。そして「ガラム・パニーを持ってきて」と言っています。ガラム・パニーとは熱い水、つまりはお湯のことで、バッバールさんは、日頃から喉を気遣って、冷たい水でなくガラム・パニーをよく飲んでいます。
アナンドはそれがどこにあるのかと私に聞きにきました。私はバッバールさんが持ってきた3本のペット・ボトルがそれだと思って、それらをアナンドに持たせました。それでもアナンドはまだ何か慌てて探している様子です。
そうこうしているうちに、バッバールさんが舞台から降りて私とアナンドのところへやってきて、「Ayakoあのボトルはどこだ?」と言います。
「はぁ? まさか!?」と私は忘れていたものをよくやく思い出しました。
バッバールさんは収録前に1杯ひっかけたかったということだったらしいく、ウォッカを、持参したペットボドルへ少し入れてとアナンドに言いながらも、時間がないので、人気のないメイク室に入り、瓶を隠しながら自分で入れ始めました。終いにはどぼどぼとこぼしながら...。
私とアナンドは顔を見合わせて、ありゃりゃ〜。


スタジオへ入る時には持ち物検査があって、そのペットボトルは何だ?と聞かれるアナンド。
どう言ってみようもなく「ミックス・ガラム・パニー」と答えにならない答えをして中へ。


それがいいことなのか悪い事なのかわかりませんが、この寒い夜の年の瀬の収録に、ちょこっとひっかけて温まり、気持ちよく歌いたかったのだろうな、これは数日早いお屠蘇みたいなものだと私は理解しました。
しかし、休憩中にも「アナンド、ガラム・パニーおくれ!」と言っています。
はたして白湯のことだったのか、はたまた…。もう私にはわかりません。
飲み過ぎて、となりで歌っているバニーにその匂いを気づかれはしないだろうか...と心配するくらいしかできません。

はたと、バックの中のウォッカの瓶が気になりました。持っているのは私です。あのドタバタの中、キャップはきちんと閉まっていたのだろうか? と、薄暗いスタジオの中で、まずはカバンの底を触ってみました。 「つ、冷たい。濡れている。」おかしいな、 瓶は紙袋とビニールの袋で2重に包んでいたはずなのに...。
カバンの中に恐る恐る手を入れてみると、紙袋は濡れてくちゃくちゃになっているし、底に微妙にウオッカがたまっている感じでした。私の方こそ匂いがバレてしまいそうです。でもここはアルコール、蒸発することをただただ祈って...。しっかりキャップを確認して、すぐにカバンを閉め、人のいない舞台セットの奥の方にカバンを移動させて収録を見ていました。。


歌う前のお酒は効果があるのだろうか? 効果があったとしても、こんなに直前で良かったのかな?  あれこれ思いながらも、収録は無事終わり、ほっと一安心でありました。収録直後に、となりにいたスタップが、私に、バック忘れないようにとわざわざ言ってくださったのは、あまりにも離れた場所にバックを置いておいたからなのか、実は事に気づいていたのか...。その人、メイク室でメイクをしていた人だったからな〜。メイク室にこぼしてそのままだし...008.gif


さてさて、ともあれ収録は終わり、これから食事ということで、みんなで場所を移動しました。
こうなったら、バッバールさんは、もう忘れていはいません。
また恋しくなったのか、欲しくなったのか、アナンドのところへやってきてペットボトルの蓋を開けるようにと言います。いいタイミングでそこには私とアナンドしかいなかったのですが、蓋を開けたとたんに、その蓋が吹っ飛ぶかのようにポンッとすごい破裂音。思わず悲鳴をあげてしまいました。

バッバールさんはソーダ割りが好きらしく、ソーダはアナンドに用意させていたそうで、ペットボトルにたまっていた炭酸の空気が弾けたのです。局の人が駆けつけてきたらどうしようかと辺りを見回しましたが、時間が時間だけに、スタッフも少なく幸い近くにはいなく...。
その間、慌てるバッバールさん、しきりに「これはソーダだよね? ソーダだろ?」と聞いてきます。
私は「ソーダ、ソーダ」と答えながらも、頭の中には「そうだ、そうだ」の文字が流れ 037.gif くっくっくっ...


さて、その後はアナンドに任せて、私は呼ばれるがまま食事の部屋へと入りました。食事中、もう既に夜中なので早く帰りたい他の出演者に対して、バッバールさんはいつものように愛想ふりまきまがら、食べながらも話しをしているので一向に食が進みません。だいたい、冷えきった食事、特に冷たいローティ(ナンのようなもの)はちぎるのも大変、噛むのも大変。食べるのに時間がかかります。バッバールさんが話し出す度に、ボトルの効果で話しが長くならないように、早めに退出しましょうよ〜と祈る私...。



念のため、バッバールさんは決してアル中ではないです。もちろん。普段はほとんど飲まないようなのですが、こんな時ばかりに、奇想天外?な発想をしてしまったようです。私もビックリしました。これを読まれた方、バッバールさん一家には内緒にしておいてくださいね。あしからず〜。
by ayako-ondes | 2008-01-07 03:39 | Diary★日記