昨年の恐怖
2007年 01月 20日
インドでは、木の下に椅子が置かれて、壁の前に鏡がつけば、床屋さんが開店する。
袋からごぞごぞと何やら取り出して、街角で売り始める人。色が色だけにドキッ!!
リヤカーに果物や野菜を積んで売り歩く人たちは至る場所にいるし、小さな商店はあらゆるところにあります(最近では、住宅地域が商店になっていてこれにまつわる様々なことが問題となっています)が、それなりのお店が集まっているところはマーケットと呼ばれています。最近では巨大なショッピング・モールも続々建ち始め、ここ数年で、デリーと、そのベットタウンは相当変化遂げることでしょう。まあまあファッショナブルで、外国人好みの物が多くあるマーケットはほとんどが南デリーと、その先の隣の州のデリーとの境界地域にあります。各国大使館や、アメリカン・スクールや日本人学校などの各国スクールも、そして多くのハイレベルなインターナショナル・ホテルや空港も南にあります。買い物が楽で、街や建物も比較的整備されている南に住みたいですところですが、私が住んでいるのは、混沌とした活気に満ちるオールドデリーから更に北へあがり、デリー大学をも超えた北デリー。住んで1年、全くといっていいほど外国人に会うことがありません。デリーには日本人会なるものがあって、ショッピングガイドなども発行していますが、それも南の情報がほとんどで、北はまるで不毛の地のような印象です。しかし、そんなひどくもないのです。今デリー全域で地下鉄の拡張工事が進められていて、いずれは私が住んでいる家の真ん前にも駅ができます。現在の最北駅であるデリー大学駅から2つ目、ここまで地下鉄がつながったら、デリー中心部まで家から20分ちょっとで行けてとても便利になります。といっても、さすがにそれまではデリーにいないでしょう。
そんな北デリーにおいて、規模が大きく、デリー大学の若者も利用するマーケットが、大学近くのカムラ・ナガル・マーケットです。前々から気になっていたものの、地下鉄ではいけない場所なのでのばしのばしになっていました。そして初めてそこを訪れた時のこと。
夕方になりかけていた時分、家とは逆方向の中心部の本屋に足を伸ばしたくなり、デリー大学駅までリキシャを使うことにしました。ちょうどマーケットの大きな交差点にはリキシャワラもわんさと集まっていて、値段交渉を始めました。夕方時分になると値段も多少アップします。数名のリキシャワラが皆同じ金額を提示してきました。そこで決めてしまえば良かったのですが...これだけ大勢いるんだから、一人くらい安い金額を言ってくるだろうと思い、「20ルピーで駅まで行ってくれる人〜」と大声で辺りを見回しながら呼びかけました。そしたら、取り囲んでいるリキシャワラは一同に25ルピー、誰も譲る人はいませんでした。いつもと違う状況に戸惑う私。
そんな中、得意の野次馬根性とからかい精神(暇なんだと思う)で、リキシャワラはおもしろがって寄ってたかって数十名集まってきて、みんながみんな、わざと25ルピーと言って迫ってくる。自分のところに乗れ、ここに乗れと、わんわんと始まってしまった。まず〜い〜!!! ついに囲まれた。リキシャワラだけでなく、道行く人もみんな何事かと、だんだんその輪が大きくなっているいるのが感じられ、耳のあたりがカーッと熱くなってくる。このまま家に帰るとしてもリキシャに乗らないと帰れないし、どうやってこの場を切り抜けたらいいのだろう、逃げ道がない…。とっさに、ジャンケンが頭に浮かんだ。まずはジャンケンを教えて、彼らにやらせてよう。そして勝った人のリキシャに乗ろう。それにはどうやってこれだけの人にジャンケンを教えたらいいのか、ジャンケンをわかってもらえるだろうか、更にひどい事になってしまったどうしよう…などなど、思考が急ピッチに飛び回り、頭の中はゴチャゴチャ、パニックに陥ってしまった。どうしよう、どうしよう…。その時、人の山の中から見覚えのある顔が目に入ってきた。うわ〜。何が起こったのかよくわからないけど、うわ〜。今度は驚きのあまり声が出ない。「Ayako, what are you doing?」と大きい目の友達が人ごみを掻き分けて目の前に来た。その後ろには彼の友達のパンジャビのシンガー2人もいる。この前会ったばかりの人たちだ。どうしてここに? 彼らはこのマーケットにある食堂にモモを食べにちょうどやって来たところだと言う。私はあまり自分の状況を説明できなかったけれど、一緒に食べに行くかと言われて、「行く、行く!!」。ワラにもすがる思い。リキシャワラに「バーイ!!」と一言、この場を脱出したのでした。モモを食べながら、ようやく正気に戻った私、偶然にも助かった…と、ようやく安堵。それにしても初めて来た場所、友達もほとんどいなかったその頃、友達がたまたま居合わせるなんて…。お礼を言いながら、偶然でびっくりしていたと言ったら、「僕はAyakoのことは全てわかるんだよ」だと。いかにもインド人の台詞…。
ところ変われば...。 ヴァラナシのリキシャは背もたれの模様が可愛い。
袋からごぞごぞと何やら取り出して、街角で売り始める人。色が色だけにドキッ!!
リヤカーに果物や野菜を積んで売り歩く人たちは至る場所にいるし、小さな商店はあらゆるところにあります(最近では、住宅地域が商店になっていてこれにまつわる様々なことが問題となっています)が、それなりのお店が集まっているところはマーケットと呼ばれています。最近では巨大なショッピング・モールも続々建ち始め、ここ数年で、デリーと、そのベットタウンは相当変化遂げることでしょう。まあまあファッショナブルで、外国人好みの物が多くあるマーケットはほとんどが南デリーと、その先の隣の州のデリーとの境界地域にあります。各国大使館や、アメリカン・スクールや日本人学校などの各国スクールも、そして多くのハイレベルなインターナショナル・ホテルや空港も南にあります。買い物が楽で、街や建物も比較的整備されている南に住みたいですところですが、私が住んでいるのは、混沌とした活気に満ちるオールドデリーから更に北へあがり、デリー大学をも超えた北デリー。住んで1年、全くといっていいほど外国人に会うことがありません。デリーには日本人会なるものがあって、ショッピングガイドなども発行していますが、それも南の情報がほとんどで、北はまるで不毛の地のような印象です。しかし、そんなひどくもないのです。今デリー全域で地下鉄の拡張工事が進められていて、いずれは私が住んでいる家の真ん前にも駅ができます。現在の最北駅であるデリー大学駅から2つ目、ここまで地下鉄がつながったら、デリー中心部まで家から20分ちょっとで行けてとても便利になります。といっても、さすがにそれまではデリーにいないでしょう。
そんな北デリーにおいて、規模が大きく、デリー大学の若者も利用するマーケットが、大学近くのカムラ・ナガル・マーケットです。前々から気になっていたものの、地下鉄ではいけない場所なのでのばしのばしになっていました。そして初めてそこを訪れた時のこと。
夕方になりかけていた時分、家とは逆方向の中心部の本屋に足を伸ばしたくなり、デリー大学駅までリキシャを使うことにしました。ちょうどマーケットの大きな交差点にはリキシャワラもわんさと集まっていて、値段交渉を始めました。夕方時分になると値段も多少アップします。数名のリキシャワラが皆同じ金額を提示してきました。そこで決めてしまえば良かったのですが...これだけ大勢いるんだから、一人くらい安い金額を言ってくるだろうと思い、「20ルピーで駅まで行ってくれる人〜」と大声で辺りを見回しながら呼びかけました。そしたら、取り囲んでいるリキシャワラは一同に25ルピー、誰も譲る人はいませんでした。いつもと違う状況に戸惑う私。
そんな中、得意の野次馬根性とからかい精神(暇なんだと思う)で、リキシャワラはおもしろがって寄ってたかって数十名集まってきて、みんながみんな、わざと25ルピーと言って迫ってくる。自分のところに乗れ、ここに乗れと、わんわんと始まってしまった。まず〜い〜!!! ついに囲まれた。リキシャワラだけでなく、道行く人もみんな何事かと、だんだんその輪が大きくなっているいるのが感じられ、耳のあたりがカーッと熱くなってくる。このまま家に帰るとしてもリキシャに乗らないと帰れないし、どうやってこの場を切り抜けたらいいのだろう、逃げ道がない…。とっさに、ジャンケンが頭に浮かんだ。まずはジャンケンを教えて、彼らにやらせてよう。そして勝った人のリキシャに乗ろう。それにはどうやってこれだけの人にジャンケンを教えたらいいのか、ジャンケンをわかってもらえるだろうか、更にひどい事になってしまったどうしよう…などなど、思考が急ピッチに飛び回り、頭の中はゴチャゴチャ、パニックに陥ってしまった。どうしよう、どうしよう…。その時、人の山の中から見覚えのある顔が目に入ってきた。うわ〜。何が起こったのかよくわからないけど、うわ〜。今度は驚きのあまり声が出ない。「Ayako, what are you doing?」と大きい目の友達が人ごみを掻き分けて目の前に来た。その後ろには彼の友達のパンジャビのシンガー2人もいる。この前会ったばかりの人たちだ。どうしてここに? 彼らはこのマーケットにある食堂にモモを食べにちょうどやって来たところだと言う。私はあまり自分の状況を説明できなかったけれど、一緒に食べに行くかと言われて、「行く、行く!!」。ワラにもすがる思い。リキシャワラに「バーイ!!」と一言、この場を脱出したのでした。モモを食べながら、ようやく正気に戻った私、偶然にも助かった…と、ようやく安堵。それにしても初めて来た場所、友達もほとんどいなかったその頃、友達がたまたま居合わせるなんて…。お礼を言いながら、偶然でびっくりしていたと言ったら、「僕はAyakoのことは全てわかるんだよ」だと。いかにもインド人の台詞…。
ところ変われば...。 ヴァラナシのリキシャは背もたれの模様が可愛い。
by ayako-ondes
| 2007-01-20 09:18
| Indian★インド人